昨日は、国立劇場で歌舞伎を鑑賞。
ひとつ目の演目は、小田原名物の妙薬「外郎」を売り歩く行商の『外郎売』。
早口言葉が苦手な自分にはできんなぁ。
『外郎売』が終わり、休憩中、隣のおばさんが
「これ、さっきの話に出てきた外郎」といって、ビービー弾よりちょっと小さい外郎をくれる。
漢方の匂いが口全体に広がって、鼻から隣のおばさんと同じ匂いがする。
なるほど、これが外郎かぁ...実家にある木製の薬箱を思い出す。
その後、持参したおにぎりを食べる。
『外郎売』がかなり理解できなかったのでイアフォンガイドをレンタルする。
演目がはじまるとイアフォンから丸みを帯びた心地良いトーンの声が解説をしてくれる。その声が心地良く子守唄のようで寝てしまう。はっと起きて隣を観ると、彼女もイアフォンガイドを耳に入れたまま寝ていた。
袖の振り方、筆のもつ角度など、そのひとつひとつに意味があり、それが役者の個性にもつながっているところもあるようだけれど、それも解説されないとわからない。自分は歌舞伎についてはわからないことが多いので、ただただ自分の感覚で楽しむ。
劇場内の座席の椅子のクッションが固かった。
夕飯はガレット。ガレッタとよく言い間違える。
メニューの横文字は、なんか気取っている感じがして、ちょっと背伸びをしないと頼めない。よく行く定食屋のような「Aセット」「Bセット」というような頼み方ができず、舌を噛みそうだ。彼女が注文する。
隣の隣の席のカップルの男性がワインのテイスティングをしていたけれど、自分はとうぶん、というか向こう100年あのような振る舞いはできないなと思う。
運ばれてきた料理は、ジャガイモとハムと卵とチーズが入ったガレット。目の前に出してくれたから食べはじめたけれど、注文したものと違うものが出てきてもわからずに食べてしまうと思う。半分食べてから彼女のものと交換して食べる。
カップ一杯のシードルをちびちびと飲んでいたけれど、そのせいか高級な味がした。